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風を友にして

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2011年 08月 10日

  円空仏を訪ねて・大平観音堂


  旧伊吹村の春照という集落(現在は米原市春照)にある大平町観音堂を訪ねた。
  ここに安置されているのは、円空作の十一面観音立像で、高さが180.5cmもあり
  珍しい桜の一木造で元禄二年円空58歳の晩年の作である。

  本像は伊吹山中腹にあった太平寺集落に古くから祀られていたが、諸般の事情で
  昭和39年に集団移住により現在の春照大平寺観音堂に安置されている。
  春照は「すいじょう」と読まれるが、伊吹山山麓にある北国脇往還の宿場があった。
  拝観には事前の予約が必要であり、拝観料は300円。

  女流作家の白洲正子さんがその著書「十一面観音巡礼」で
   「かって伊吹山で円空作の十一面観音に出会った時の感動が、私には忘れられない、
    それまで私は、円空には人がいう程興味を覚えないが、この像だけは印象に残っている」
  と述べられたそうですが、等身大の白洲さんが撮影した写真パネルが置かれていた。

  観音像の背面には円空自筆といわれる墨書があるが撮影はできなかった。
  額縁に入れられた「円空上人行蹟」に書かれている漢詩と四日間の制作日程には驚く。
   「四日木切 五日加持 六日作 七日開眼
    元禄二己己年三月 初七日 中の房 祐春代 」
祐春は中の房の僧侶だろうと言われる。代 とは祐春の代りに円空が造ったという意味だろう。

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  円空仏が今ほど知られていなかった頃には
  お腹を極端なまでに出っ張らした像であるから、
  安産の観音さんとしてお参りに来る人がこの像の腹部に触っていたと聞いた。
  それが今では頑丈なガラスケースに入れられて、観音さんも寂しそうにみえた。

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by sansenkiso | 2011-08-10 05:41 | 寺社・仏閣


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